こんにちは!
英語大好き、羽生市の上原学習塾、塾長の上原です。
今回は、「1人ひとりに合わせた英語指導」というテーマでお話しします。
英語が苦手だった生徒が、どのようにテストで結果を出し始めたのか。その中でも、長文読解と単語力、そして「性格に合わせたアドバイス」について取り上げてみたいと思います。
英語が苦手だった生徒が、学年1ケタまで伸びた話
とある生徒の話をします。
中学2年生から入塾した生徒で、英語がとても苦手でした。中1の英語でつまずいて以来、ずっと英語が「分からない・嫌い」という状態が続いていたそうです。ちょうどご兄弟が塾に通っていたこともあり、「自分も頑張ってみる」と入塾してくれました。
入塾時は、英語のテストの学年順位が後ろから数えた方が早い状態でした。そこから約半年、文法・品詞を中1の内容から1つずつやり直しました。
その結果、英語の学年順位は1ケタ以内まで伸びるようになりました。
この「ゼロからやり直した半年間」の話だけでも1本記事が書けてしまうので、それはまたの機会ということで…
さて、この生徒が、中3になってから受けた北辰テストで、少し伸び悩んでいたときのやり取りをご紹介します。
長文が時間内に終わらない…どこを鍛えるべき?
ある日、その生徒からこんな相談を受けました。
生徒:先生、北辰テストを解いていて時間内に終わりません。長文に時間がかかってしまいます。
私:そうなんだね。時間が足りないって、受験生あるあるだよね。長文読んでいて、単語は何割くらい分かる?
生徒:7~8割くらいです。
私:なるほど。そうしたら、もうちょっと単語力をつけたいね。9割くらい分かるのを目指さないと、ちょっときついかな。そうすると、また長文の読むスピードは上がってくるよ。
生徒:いやー、単語力かー。でも最近、自習にも来て単語に力を入れてます!
長文が時間内に終わらない原因は色々ありますが、「そもそも単語が分からない」というケースはとても多いです。
分からない単語が出てくるたびに立ち止まり、「どういう意味だろう?」と考え込んでいると、あっという間に時間がなくなってしまいます。
「9割分かる」とはどういう状態か
「単語が9割分かれば、けっこう読めるんじゃない?」と思うかもしれません。
しかし、冷静に考えてみると9割でも結構厳しいのです。
例えば、1文あたりの単語数を10語と仮定します。
単語が9割分かるということは、1文につき1語は分からない単語があるということになります。
これが文章全体に積み重なると、「どこかしらでつまずいてしまう」のは当然と言えます。
だからこそ、長文読解のスピードと正確さを上げるには、単語力の底上げが欠かせません。単語力は、そのまま得点と読む速さに直結します。
まずは「動詞」を優先的に覚えよう
とはいえ、「単語をもっと覚えよう!」と言われても、
どこから手を付ければいいか分からない、という生徒も多いです。
そこで私がよく勧めるのが、動詞から優先して覚えることです。
動詞は、文の「動き」や「出来事の種類」を表します。
例えば、
eat:食べる
という動詞が文に出てきたら、その後には食べ物に関係する名詞が来ると予想がつきます。
つまり、動詞が分かれば、文全体の流れがつかみやすくなるのです。
「単語をどう覚えていけばいいか分からない」という場合は、まずは動詞、次に頻出の名詞や形容詞、といった順番で覚えていくのがおすすめです。
英語は「きれいな日本語」にしなくていい
この生徒とは、単語だけでなく「訳し方」についても話しました。
私:英文を読むときに、きれいな日本語にして読む必要はないよ。
生徒:前に授業で言ってた、前から訳すってやつですか?私:そうそう、それそれ。 例えば、
「 I play tennis in the park.」
「私は公園でテニスをします。」
って完璧な日本語にする必要はないんだ。
生徒:「私は/するよ/テニスを/公園で」みたいな感じで訳すってことですよね。
私:その通り!きれいな日本語にしようとすると時間がかかってしまう。だから英語は前から順番に訳していこう。
生徒:分かりました。いつもきっちりした日本語に直そうとしていたので、意識してみます。
学校では「後ろから訳す」と教わることも多いと思います。
もちろん、テストで日本語訳を書かされる問題では、それも必要です。
しかし、実際に長文を読むときや、入試本番の時間制限を考えると、後ろから戻って訳す読み方はおすすめしません。
なぜなら、
1.英文を前から読む
2.日本語にするために、もう一度後ろから読み直す
という二度手間が発生してしまうからです。
それよりも、1.前からそのまま日本語に訳す
という読み方のほうが、速く・工程も少なく・内容も頭に残りやすくなります。
リスニングは「前から訳す」練習の集大成
特に、リスニング問題では「前から訳す」ことができないと、一気に厳しくなります。
音声は一度流れたら戻ってきません。自分のペースで読み返すこともできません。
「後ろから訳す」クセがついていると、頭の中で処理が追いつかなくなり、聞いているそばから内容を忘れていく状態に陥ってしまいます。
だからこそ、普段の長文読解の段階から、
英語は前から順番に、ざっくり日本語にしていく
という読み方を身につけておくことが大切です。
性格に合わせた「大雑把さ」も、時には武器になる
この生徒と話している中で、印象的なやり取りがありました。
私:場合によっては、英語の訳し方はちょっと大雑把な方がいいこともあるんだよ。
生徒:あー!だから兄は英語が得意なんだ!
私:ど、どういうこと? お兄ちゃんはすごく英語得意だもんね。
(お兄さんも塾で現在も英語を習っています)
生徒:だって、兄はめっちゃ大雑把なんです。だから英語が得意なんですよ。
私:なるほど…そういう考え方もあるのか。先生も勉強になった(笑)
生徒:自分はちょっと細かすぎるところがあるんで、英文を訳すときにちょっと大雑把にやっていきます。
私:そうだね。その意識はすごく大事だと思うよ。時間かけすぎて終わらなかったら本末転倒だからね。
兄弟だからこその視点ですね。とても興味深かったです。
「細かく気にしすぎる性格」は、英語の読解ではマイナスに働くこともあります。
一方で、「多少大雑把でも、全体の流れをつかむのがうまいタイプ」は、長文読解やリスニングに向いていることも多いともいえるでしょう。
この生徒にとっては、
「大雑把に訳してみる!」
というアドバイスが、まさにその子に合ったベストのアドバイスになりました。
最後に

今回ご紹介した生徒は、もともと英語が苦手でしたが、コツコツと基礎をやり直し、単語力をつけ、訳し方を工夫し、自分の性格に合った読み方を身につけることで、着実に力を伸ばしてきました。
大事なのは、勉強の仕方とそのアドバイスです。
どの単語から優先して覚えるか(例:動詞)
どうやって英文を読むか(前からざっくり訳す)
自分の性格に合った読み方を見つけること(細かさ・大雑把さのバランス)
やり方1つで、同じ問題を解いていても、成果が大きく変わってきます。
上原学習塾では、1人ひとりの性格や状況に合わせて、「その子にとって一番伸びるやり方」を一緒に探す指導を心がけています。
「長文が時間内に終わらない」「単語の覚え方が分からない」「訳し方でいつも詰まる」といったお悩みがあれば、ぜひご相談ください。
上原学習塾では、受験のための英語だけでなく、「英語ができると人生が少し楽しくなる」ことを伝えながら指導を行っています。
塾長ブログは週に1,2回更新予定です。教育や英語学習に関する記事を定期的にアップしていますので、ぜひご覧ください。
勉強の方法や進路のことはもちろん、英語の伸ばし方や「英語嫌い」の相談も承っております。
生徒の皆さんが安心して学び、未来に向かって前進できるよう、幅広くサポートしてまいります。
体験授業や学習相談も随時受け付けています。お気軽にお問い合わせください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
塾長:上原明
学歴:東京理科大学 工学部 建築学科卒、埼玉栄高等学校(アメフト部)、羽生西中(陸上部)
指導歴:2007年から
趣味:映画、海外旅行、英語学習、シーズンスポーツ、ゲーム、マンガ





